『ふたりはプリキュア』 第15話 「ストレス全開!マドンナはつらいよ」 原岡流レビュー

…なんだったんだ、この話?
消化不良もここまでくると胃が痛む。


今回の話はまさに“駄作”である。
観ていてまさにサブタイトル通り


「ストレス全開!マドンナ(←今週のプリキュア)はつらいよ」な話だった。


まず冒頭。
えらく長回しな先週の回想シーン。
前回のアクションシーンをダイジェストでもまた観られたのは嬉しいことだが、前回とのつながりが無い今回のお話としてはこれは時間稼ぎ以外のなにものでもない。
事実、なぎさのナレーションすら途中で止まってしまっていることから最初っから語ることなど少ない(というか無い)ということがわかる。


そしてAパート中盤少し後の友華先輩の「あなた達にはマドンナの苦労はわからないわよね」のあまりにも説明的な台詞まわしと下校途中の友華先輩の独り言「急がないとピアノの先生が来ちゃう。」「みんな楽しそう、私もあんな風に振舞えたら」。
ここでは“絵で見せたり”“演出で表現して説明する”ということを端折り、言葉だけでケリをつけようとしていることが見て取れる。


あ、ちょっと話がずれるが、今回一番の(自分的)問題シーンがこの下校シーンだったのだが、
「ほ、ほのかと志穂・莉奈コンビがもうすでに仲良くなってるー!」 Σ(゜Д゜)ガーン
あ、あ、あ…一番恐れていたことが現実にぃ…_| ̄|○
みんな楽しく一緒に下校ですよ。和気藹々とおしゃべりですよ…
ああ、またひとつ萌えるエピソードが音を立てて崩れていった…(参照)


…話を戻そう(笑)


次に今回のポイズニー姉さんの作戦。
“人の心の闇の部分、抑圧された心、隙”、そんなところを利用して作戦を行う(はずの)ポイズニー姉さん。
今週はそこら辺がゲストキャラから明確になっていてとても良かったのに、いざ作戦開始となったら「公園で友華先輩に街の人々へ迷惑好意を働かせる」だけ。
そしてまた出てきた「おしくらまんじゅう攻撃」。


おしくらまんじゅうに関しては、第12話『悪の華ポイズニー参上!って誰?』の回でも、操られた街の人々がこうして二人を襲ったことがあったわけだが、前回は「変身前のほのかを狙ってプリズムストーンを奪う」という(まだ)納得出来る流れであったが、今回のこれはどういう意味のある作戦(攻撃)だったのか?
ポイズニー姉さんはふたりが圧死することでも望んでいるわけでしょうか?


「本物の友華先輩が集団の中に紛れている為攻撃できない」→「助かりたければ素直にプリズムストーンをよこしなさい」というのもわからんではないが、それと友華先輩の“鬱積された心、希望・願望を操って行う作戦”と何かつながりがあるのでしょうか?


こんな「他人に迷惑行為をする」、そしてプリキュアには「おしくらまんじゅう攻撃をする」という程度の内容のものならば、別に友華先輩である必要性も無く、そこら辺にいる人間を催眠状態にして、ふたりを襲わせれば済んでしまうこと。
それこそ彼女達の素性はバレバレなので、もっと身近な人物を使っても良い話。


つまりは今回出てきている“学院のマドンナという設定を背負った友華先輩”である必要性がないため、今回のお話の焦点のキャラクターが完全に死んでしまっているのですよ。
そんな状態で面白いお話が出来ますか?
そんなこと絶対に出来ません。


そんな状態だからか、本物が見破られた後のポイズニー姉さんの反応も素。
「友華先輩を利用してふたりからプリズムストーンを奪い取る作戦」だったはずなのに最後はザケンナー(しかもノーマルザケンナー)での力技。
まだ教頭にザケンナーを乗り移らせたゲキドラーゴの方が作戦としては理にかなってます。


一体シナリオライターは“ポイズニー姉さんが友華先輩を使ってプリキュアを追い詰める”というお話をどういう風に考え、作ろうとしていたのか…


ザケンナー登場後の戦闘アクションも、前回に比べればまったくなく、(というか他の話と比べてもそうだが)痛快さも欠けて観るべきところが無くなってました。


で、これはスタッフ自ら潰してしまったエピソードになると思うのですが、


「いつのまに、なぎさタンは泳げるようになったのですか? しかもバタフライで!」


ザケンナーの体内は浮力が高い”
“もともとスポーツ万能ななぎさが必死だったから泳げた”
“ブラックに変身していたから泳げた”


などの解釈で処理しても良いが、劇中本編で説明が無い限りで作品自体をそこまで脳内補完したらただの「どんなグダグダなお話でもプリキュア万歳(マンセー)!」の盲目信者にしかならないので、それはまずいだろうと思う。
少なくとも自分は納得しない側の人間だ。


まったくの独自解釈のお話作りの中(同人とか)ならば“それもまたあり”ということにはなるが…


とにかく夏真っ盛りの時期にやるであろう海やプールでのエピソードの盛り上がりがひとつ消えてしまったわけです。
これでまた“泳げないなぎさタン”を出してきてもねぇ…
だって彼女“泳げる”んですもの。


んで、ラストシーンまできても友華先輩の根本的なストレスは解消されていないわけで…


本当に何がやりたかったのか、そして言いたかったのか、まったくもって解らんお話でした。


3クール目突入までこんな感じで厳しい話が続くのでしょうか…
つらいなぁ…_| ̄|○


で、そんな悪かったことだけ挙げてもホント自分が(も?)辛いので、以下良かったところ、というか散りばめられた萌えシチュエーションを単純に列挙。


アバンタイトルジャアクキングが語っていた
「すべてを生み出す“力”」
これが今後のキーワードとなることは必然。
あとはこれをどう料理するのかが勝負。


遅刻時の基本“バター塗ったパン咥えて走る”なぎさタン。
だが可愛かったのはそこではなく、その後の電車の中で足をジタバタさせているところと、友華先輩の乗った車に追い越されて立ち止まった後、再度走り出す瞬間のガニマタ姿w


そして今回のお話に存在意義があるとするならば、ここしかないだろう「ほのかタンと二人で黒板消し掃除」。
実にラブラブ過ぎる良いシーン。過去放送分のプリキュア名シーンベストテンでも上位入賞。


そういやなぎさタンは公園でジャンケンに勝ったのに、なんでミップルが指した方向(ほのかタンの方)へ行ったのだろうか。
もしかして最初っから勝っても負けてもほのかタンの方へ行くつもりだったのか?w
やはりメップルへの信頼度よりも、ほのかタンへの愛の方が強いのだろうと推測。(+Д+)ピキーン!!

あとは戦闘シーンでの、ホワイトの機転で本物の友華先輩がわかった時のブラックの「よっしゃ!叩きのめす!」のシーン。


…この愛くるしい漫才コンビはどうしてくれよう(笑)


以上5箇所!ベースが悪いだけに今回のお話の評価は低いが、ここは評価高し。萌え〜(〃▽〃)