『ふたりはプリキュア』 第30話 「炸裂!プリキュアレインボーストーム」 原岡流レビュー
素晴らしい!素晴らしすぎる!今回もまたまたやってくれました!
脚本・演出ともに素晴らしい出来です。
もう、スタートからのさりげないセリフの中に今回の物語の展開を盛り込ませた上、ポルンのキャラクターを完全に昇華。
ウィズダム「って、こらー!プリズムストーンで遊ぶなー!」 ポルン「これはポルンのポポ♪」 ウィズダム「はぁ?」 ポルン「ポルンのものになるポポ♪」 ウィズダム「ば、馬鹿言うなー!これはすべてを生み出す〜(以下略)」
放送が始まってこのシーンを見た次点で果たしてこれが今回の物語の伏線になっていることに気がついた人はどの位いたのだろうか?
自分もそうだったのだが、ほとんどの人はいつも通りポルンが無邪気にいたずらをしているだけの
シーンとして捉えていたと思う。
そして、ポルンが子供理論で「(プリズムストーンは)ボクのものー!」って言ってるだけだと
思っていたと思う。
だが今回のお話を最後まで観ればわかるとおり、本当にプリズムストーンは
“ポルンのものになる”のである。
これは普段のポルンのキャラクター性を失わせないまま、すでに語られている「ポルンの予知能力」の一端をモードチェンジ(無意識状態)させることなく表現しており、今回の物語の導きとポルンの裏の側面(未来を予知するもの)をさりげなく、そして的確に表現した実に上手い脚本と演出であった。
こんなさりげない台詞の中にこのような物語の伏線などが含まれていると、もう冷静にポルンを
見ていられなくなるであろう。
ポルンのセリフの一言一句が何のキーワードになっているのか、気になって気になって仕方が無くなる。
そして本編。
喋るポルンをごまかそうととったほのかタンの行動!
ほのか可愛いよ!ほのか可愛いよ!ほのか可愛いよー!。・゜・(ノД`)
ポルン可愛いよ!ポルン可愛いよ!ポルン可愛いよー!。・゜・(ノД`)
ほのー!ほのー!ポポー!ポポー!
基本はなぎほのを5:5で見つつも、なぎさタンに肩入れ(9:1)しているオイラの天秤が一気にほのかタンに傾いた(3:7)瞬間だった(爆)
まぁ、ふたり“で”プリキュアなんで「白だ!黒だ!」言ってるのはナンセンスなんですけどね。
そしてなんですか!、あの草むしりのシーンは!
スタッフは我々視聴者を萌え殺す気満々じゃないですか!
なぎさ「ふたりでやるのー!」 ほのか「(微笑み)」 ほのか「なぎさ、ふぁいと♪」
まるでラスボスで一気になぎ払われ、死に絶えるピクミン達のようにあのシーンだけでどれだけのプリキュアン達が悶絶死したことか!
許せん!いや!許す!殺せ!殺してくれ!
オイラは死んだ!そして生き返った!コンティニューだ!
“萌え”はここまでで、こっから話は“燃え”になっていくのですが、ここでも名演出が炸裂。
草むしりを終えたふたりを見送った教頭のこのシーンがまた秀逸。
正門から堂々とやってくる“SEED3”*1に向かって言う一言が
米槻教頭「(………)ぁ〜、校長!今日も素敵な髪型で〜」
なぜにこの前のシーンでポルンが校長の写真にいたずら書きをしたのかがここで判明する。
ポルンのいたずらが何でも良かったわけではないのだ。
このシーンに繋がる前に校長の姿を画面に映し出すことによって、初見の人、または校長と言うキャラクターを知らない人にもこの人は本当の校長先生ではないということがわかるようにするためなのであった。
しかもこの流れはベルゼイ初登場の時の演出(看護婦に「院長!」と呼ばせたシーン)をも踏襲しており、ベルゼイというキャラクターまたはSEED3全員が持っている能力も同時に表現した素晴らしいシーンとなっていたのである。
そしてその後のベルゼイにも闇の住人であるキャラクター性をしっかり打ち出した台詞が出てくる。
ベルゼイ「こんばんわ。プリキュアのお嬢さん達」
そう!すべてが闇である彼らにとっては、例えこの世界での時が昼であっても挨拶はこんばんわ
なのである。
何度もベローネ学院の校舎の時計が映し出されたり、この台詞の前にもわざわざほのかが「だってまだ3時よ」と言って、いまの時間を視聴者に再認識させている演出も「なるほど!」と唸らせるものであった。
その後三位一体で異空間よりプリズムホーピッシュ(ウィズダム)を強引に引きずり出すSEED3。
ダークファイブの時には見られなかった連携が実に新鮮に目に映ります。
ベルゼイ「プリズムストーン!確かにっっ!!」
うわぁ!おっちゃんカッコイイよー!
続くアクションシーンもブラックとの比較を図ってジュネを“力”で表現していれば、ホワイトと比較してレギーネを“技(スピード)”で表現。
実にわかり易く今回の敵が圧倒的にプリキュアより勝るというのを見せ付けます。
ここでお約束のPMSが登場するわけですが、これも意外な破られ方。
ベルゼイ「白と黒の稲妻を合体させて、パワーを生み出すマーブルスクリュー。 ならばふたつのパワーを分けてしまえばいい!」
てっきり力技のゴリ押しで打ち破るのかと思いきや、PMSの力の原理を見破ってPMS自体を解体、根底から技の無効化を働くとは思いも寄らなかった。
まぁPMSの原理が語られたことは無かった上に、物理的に掴めるとはさすがに想像できなかったので、仕方ないような気もするんですけどね。
そうか掴めるのか…ふーん…(´-ω-`)
でもこの破り方って三人いないと出来ないような気がするので、今後単体で襲ってきた時にはPMSの出番もそれなりにあるような気がします。
で、(↓)問題発言。
ウィズダム「できれば白い方〜」
Σ(゜∀゜;) オマエモシロハカヨ!
そして遂にプリズムストーンの力と融合したポルンの感情爆発でパワーアップアイテム登場!
ポルンの「光のパワーを受け取るポポー!」で射出されるプリズムストーンのパワー。
あー、やっぱ玩具のレインボーブレスから出る声と同じ台詞なのねw
ブラック「これなに?」 ホワイト「ブレスレット?」 ウィズダム「プリキュアレインボーブレスだ!!」 ふたり「プリキュアレインボーブレス!?」
うん!子供にも実にわかりやすい説明だ!w
凄い!凄いぞ!なんて効果的かつ完璧な販売戦略なんだ!(苦笑)
襲いくるレギーネの攻撃をいとも簡単にかわし、ジュネを一撃で弾き飛ばす。
そして手を取り合うふたり。キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
ブラック「またなんか言うんじゃない?なんか言うんでしょ!」 ホワイト「希望の力よ!光の意志よ!」 ブラック「未来へ向かって!突き進め!」 ブラック「やっぱり〜! で、なにが出んのよ〜!?」 ふたり「プリキュアレインボーストーーーム!!」
もうね、このブレスを受け取ってからPRSで決着がつくシーンまで何度繰り返して観たことか!
カッコイイ! カッコ良すぎるYO!!
ブレスを受け取った瞬間のケレン味の効いた構図!
PRSの射出までのプロセス!(ま、途中まではPMSと同じですがw)
射出の瞬間のタメ!(ここが一番好き)
そして射出後の反動でふたりが画面いっぱいになるまで後方に押し下げられる迫力ある演出!
どれをとってもパワーアップしたと思わせる素晴らしい演出と作画でした。
こんな技、
劇場版併せで登場してスクリーンで見たら自分、失神するところだよ!
ウィズダム以外プリズムストーンの在り処がわからなくなってしまったこの状況。
今後はお互いにプリズムストーンを探しての争奪戦になるのでしょうか?
案外、サクッとウィズダムが口割ってたりしてw
まぁ、この手のパワーアップ編はどうしてもアイテムの表現に偏りすぎてしまい、お話のつくりが並み以下のレベルで終わってしまうことがほとんどなのですが、今回はさりげない、何気ないシーンが物語の流れを汲んだ伏線となり、過去のエピソードも一本に繋げることをやってのけた「演出・脚本テクニックの勝利の一本」となっておりました。(グッズ紹介の演出もスポンサー的にちゃんと納得するように作られてましたしね。)
さて次回は
またもやポルンが行方不明!w
まぁ「小さい子からは目を離すな」というお母様方への教訓話だったりして。
ラストの台詞
ほのか「えっ!そんな!」 なぎさ「ジャアクキングが!」
が、とにかくスゲェ気になる!
*1:自分は便宜上このサイト上ではあの3人をこう呼ぶことと致します。